紙をカッターで決めた形に切り抜き、その紙の上にローラーをころがして色を付けるというきわめて原始的な刷り方で、だれにでもできる版画法です。皆さんもぜひ挑戦してみてください。 
 ここ私のステンシル多色刷り年賀状版画のつくりかたを説明します。素人版画ですが、後掲している「版画ギャラリー」と共にお楽しみください。

1 道具、材料を準備する
 ○版画紙にする紙(カレンダーの紙が最適、通常200枚くらいの年賀状印刷
  にも耐える)
 ○カッター    ○石油(インクを溶かす)
 ○インク(油絵の具がいい)   ○ガラス(インクを伸ばす板にする)
 ○ルーラー(柔らかい材質のもの)   ○スポイト
 ○セロテープ ○雑誌 ○軍手    ○ぼろ切れ   ○筆記用具  
2 下絵を描く  (1)版画にしようとする原画を描く。
   ( 版画の仕上がりは、原画と同じように刷り上がるので、反転させる必要
    はない)
   ( この時に年賀はがきの大きさの枠を書いておくと、刷る時の見当付けが
    楽になる )
 (2)原画が描き上がったら、カレンダーの紙の裏にコピーする。
   ( 何色刷にするか考え、少し予備を見込んでコピーするとよい )
 (3)原画に色鉛筆やマジックなどで色を付けて、何色刷にするか想定する。
3 下絵をカッターで切り抜く

 (1)同じ色の部分をカッターで切り抜く。
    ( 切り抜くパーツの中に他の色のパーツがあるとダメ…ここがポイント )
 (2)この版画作りでこの行程が一番難しい。
    ( どこをどのように切るかは、上記の色づけの時に決まる。慎重に考え
     よう )

4 見当を作る。(刷る準備)

 (1)カッターで切り抜いた原画紙より大きめの紙(カレンダー紙)を雑誌などに
   セロテープで固定する。
 (2)固定した紙に原画紙の上部ををセロテープで止める。
 (3)原画にあわせてはがきを置き、その大きさに合わせ、台紙に印を付ける。

5 色を作る

 (1)ガラス板を使って、ルーラーを転がし色を作る。
    ( インクは版画インクの必要はない。色数が豊富な 油絵の具が最適。
  下記のように混色して色を作る手間も省ける )
 (2)混色をして色作りすることも可能。
    ( スポイトで石油を加えると、インクが溶ける )
 (3)インクの量は少な目に。 ルーラーを転がしてよく練り、色むらの無いよう
   にする。 

6 刷る

 (1) インクを広げたガラス板の上でルーラーに色を付け、刷る。
 (2)最初はインクや石油の量を少な目にして、様子を見ながら刷るとよい。

7 片づけ(後始末)

 (1)ガラス板上の残りインクの始末
     テッシュ等でふき取った後、石油で溶かし拭きとる。
 (2)ルーラーの掃除、
    ルーラーにたっぶり石油をつけ、新聞紙などの上で 何度も転がす。
    これを怠るとルーラーが堅くなってしまい、来年使い物にならなくなる。

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