いつもそうであるように、その日になって計画もなく、「自然に触れたい」、ただそれだけの思いで、戸隠の奥社に向かって、車を走らせました。　出掛けたのは昼近くであり、生憎の曇天。　奥社付近では多少霧も巻いていましたが、一人で、ひたすら、緑の草木の中を歩きました。
　自分だけの時間を一人歩きで楽しみ、「疲れ」と「満足感」が交錯した思いと共に、夕方帰路につきました。

遊歩道に足を運ぶと、すぐにカタクリの可憐な花が出迎えてくれた。

紫の花に混じって、薄い桃色のカタクリも見られた。

参道に沿って細い水の流れがあります。

その淵にニリンソウ、リュウキンカ、エンレイソウ、キクザキイチゲなどの花が、その清楚な美しさを披露してくれています。

中でもニリンソウの白い花が、流れと参道の傾斜地に群生している姿は、参道を行く人々の目を引きつける。

しばらく歩きますと、中門と共に、杉並木が私たちを迎えてくれます。

この辺りまで来ると、参道を少しはずれるとまだこの時期でも雪が残っている。

薄暗い林の淵に頭をもたげるシダやヤブレガサの芽吹きが、何とも言えずかわいい。

奥社が近い。さすがにここまで来ると息も弾む。

水の流れの音に惹かれ林の中に足を運んでみる。

流れに手を入れると、その心地よい冷たさに、疲れも忘れる。

帰りに立ち寄ったみどり池の水面に映る緑の木々を眺めると疲れも次第に薄らいでいく。